原作者:早瀬さと子より
この物語の最初の一文字を落としてから、早1年半以上。どこかの誰かに届く日が来るなんて、少し信じられない気分でもあります。
何かを紡ぐ時は、どこかの誰か大切な人のために。そして、私の言葉を受け取った誰かが大切な誰かを想えるように。
ずっとそう思って書いてきました。
けれど、いつもその大切さを知るのは、私自身です。
言葉が映像になるなんて、誰かが演じてくれるなんて、想像できない気持ちで書き上げたこの物語が問いたいことは、愛や親子、生きること、死ぬこと、大切な人……受け取る人によってさまざまでしょう。
私が大切にしたいのは、さまざまなことを受け取ってくれる「人」です。
そのことを想う時、奥本監督との出会い、役者さんたちの熱演、支えてくださったスタッフや撮影協力の皆様、作品を支援してくださった方々……「人」がいるからこの作品そのものが成立するのだと知り、改めて感謝の気持ちが溢れます。
ちゃんと生きていますか?
そう問われているのは、やはり私自身かもしれません。そして答えが見出せないからこそ、私はまだ書き続けるのだと思います。
「霞晴レル」の霞が晴れる頃、次の朝靄がありますように。]
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